廊下を歩く。
長い長い廊下を…。

そして男は口を開いた。

「私は、ミナモ アヤト。貴女とは違い、水の力を持っているものだ。」

そこでアヤトは、振り向いた。

「貴女の名前は?」

そこで私は沈黙してしまった。
別に名前を教えるのが嫌と言う訳では無かっただけど…


そして、しばらくの沈黙を破ったのは、アヤトだった。

「見ず知らずの者に名を明かすのは嫌だろうが…こちらとしも、何と呼べばいいか分からないと困るからな…」

「ミズキ…郡山 瑞生。」

「ミズキか。では、主の元に案内するとしよう。瑞生。」

「はい…」

アヤトは微笑みながら、私を主の元へ案内した。