〜氷〜
夢を見た。
右目を隠した、見ず知らずの男に会った。
彼は言った。
「貴女は…氷ですか?」と。
驚いた。
確かに私は、何故か氷を操る事ができる。
私の家系は、そのような力を持つことの無い、平凡な家庭だった。
ーーーなのに、何故…。
体が勝手に動いていた。
いざとなると、頭に呪文が浮かんできた。
けど、この事は誰にも言っていない。
家族にさえも…。
なのに、何故。
しかも、見ず知らずの人が、何で私の力を知っているの?
怖いーーー…。
この力がーーー…。
私は知らぬ間に涙を流していて、気づいたら、彼に助けを求めていた。