奈々は翔太のことが好きだ。


それは多分わたししか知らない。


奈々はなんでもわたしに話してくれる。
隠し事なんて一切ないと思う。



…でも、わたしは、

一つ。そう、一つだけ

奈々に隠し事をしてる。




わたしも…翔太が好き。




これが奈々に言えないたった一つの隠し事。



ほんとは奈々に隠し事なんてしたくない。


でも、
仕方がないんだ。


わたし達の友情を壊したくないから…。



ーーーーーー



ふと、奈々を見ると
教室に向かっている翔太を熱っぽく見つめていた。



それを見てつい口が開いてしまった。


「おぃおぃー?」