アキにとって母は偉大な存在だった。



いつも心配してくれて、いつも穏やかで優しかった母。

アキが保育士を目指したのも母を尊敬していたから。



そしてラヴとアキ、子ども達。


エンドロール家の幸せを誰よりも願っていたのも母だった。



アキは痛い程にそれを理解していた。





暫くして目を腫らし声も枯らしたアキが泣き止むと、空はもう真っ暗だった。



「…アキ、見て下さい。星が流れていますよ」



泣き止んだアキの背中をさすりながらラヴが呟く。


ラヴの腕の中で重たい目を上に向けると、黒い空に間隔なく引き詰まった星達が輝いていた。




「凄いっ…綺麗」



アキは見たことのない空に感動した。