「…無理にとは言わないけどアキなら大丈夫よ」

「お義姉さん、そしてアシュリー達。少しアキと2人にして貰えますか?」



頷く一同を見たラヴは、アキの手を引きホワイトガーデンの外へと歩いて行った。



無言のアキを引き連れてきた場所は、ラヴが捨てられた海だった。


凪になる海は優しく波を寄せていた。




「…アキ、もういいですよ。私しかいませんから、何も我慢しないで下さい」

「ラヴ?」



ラヴはアキを抱きしめる。




「あなたはお義母さんを誰よりも尊敬し、大切に思っていました。だからあなたが1番悲しんでいる。…泣きなさい。泣いていいんです。…アキに我慢は似合いませんよ」



ラヴが優しく呟くと、アキは震えだしラヴの背中に回した手でラヴにしがみついた。




「うぁぁぁぁぁぁっ!!!!お母さんっ…お母さん!!!!」



波の音さえかき消してしまう程の声をあげながら、アキは泣いた。