Dearest

ラヴだけどラヴではない男。

しかし次第に惹かれていく２人。




「ダメよ。あたしにはラヴがいるもの。彼はラヴであってラヴではないんだから」

「何が私ではないのですか？」

「わわっ！ラヴっ」



アキが１人でブツブツ呟いていると、後ろからラヴに声を掛けられた。




「あの…変な事言いますけど、これはあたしの夢なんです。目が覚めたら終わりの世界です」

「夢？」



ラヴは首を傾げる。




「はい、だってあたしは西暦1500年には存在していないんです。あたしはまだまだずっと後の時代に生まれた人間です」


「未来から来たって事ですか？」


「未来から来たっていうかこれは夢ですからね…。あたしはあなたにそっくりなラヴという人と結婚して子どももいます。だからこの世界はただの夢の世界であって、あたしの目が覚めるまでの世界です」



アキの言葉を聞いたラヴは優しく微笑んだ。




「あなたに触れられるのにこれが夢ですか？体温も感じる…愛しいとも思う。これは虚像の世界なんかではありませんよ」



ラヴはアキに優しいキスを落とした。

柔らかく温かい唇。



アキは彼から感じるぬくもりを現実だと感じた。