ラヴの体温と匂いがアキを落ち着かせる。



アキはあまりに現実味の帯びたあの夢が現実にならないように、ラヴにしがみつきながら再び眠りに落ちてた。





今度は荒野に立ち尽くすアキ。



「…何よ、今度は。ラヴは何処?」



アキはきょろきょろと辺りを見渡す。


何もない荒野に立ち竦むと、茂みから騎士のような格好をした男達が現れた。




「何だ、女か。おい、どうする?殺すか?」



剣をちらつかせる男達に怯えるアキ。




「いや、折角だし犯してからでいいんじゃないか」

「よし、決まりだ」



男達はアキに襲い掛かった。


英語で話している男達の会話が理解出来るアキ。




夢なんだからと思い、アキが何の抵抗もしないでいると、何かを切り刻む音がした。


その音と同時に男達が倒れると、アキは目を開ける。



アキの目には白馬に乗った男が映った。




「…ラヴ?」

「何故私の名前を知っているのですか?」



白馬に跨る男は漆黒の髪に灰色の瞳をしていて


低い声に優しい口調で…


紛れもなくラヴだった。