「お前は知らねぇだろうが、ラヴも施設にいた時は独りだったんだよ。他人を寄せ付けず、信じさえしなかった。ラヴも周りが恐かったんだろうな」



アシュリーは煙草をくわえ、火をつけた。




「では何でラヴは今のようになれたんですか?」


「お前の母さん…アキに出会ってラヴは変わったんだ。変わったってかアキが変えたんだな」


「ママが…?」



キズナは運ばれてきた紅茶にミルクを淹れながら呟く。




「アキがラヴを興味の目ではなく1人の男として見ていたからじゃねぇかな。
ラヴの外見や俳優って名ではなく、ラヴの心の中までちゃんと見ていたから、ラヴもアキには心を開いたんだよ」


「ママは凄いですね。女性ならあんな素敵な外見をしているラヴに興味本位で近付くものだと思います」


「アキは凄いよ。俺やレオン達とだってちゃんと向き合ってくれた。あいつは人の痛みをわかってやれる」




アシュリーは優しく微笑みながら呟いていた。