「それはDearestの続編の原稿です。まだ未完成ですが……私が死んだら、あなた達が本を出版してくれませんか?」



ラヴの言葉に目を見開くアシュリーとキズナ。




「完成したら出版しないのか?」


「続編が完成するのは私が死ぬ時です。その封筒は私の机に置いておきます。だからお願いしますね」



ラヴは穏やかに微笑んだ。



まるで今にも消えてしまいそうな程に…。




「…わかった、引き受けてやる」

「はい。約束しますよ、ラヴ」



アシュリーとキズナはラヴに託された願いを受け入れた。





ラヴが未完成だと言ったDearestの続編は、あとがきを残すだけだった。




そのあとがきが

ラヴから愛する家族へ残す遺言となる事は


まだ誰も知らない。