「…アキ、俺ね、ずっとず〜っとアキが好きだったんだよ。アキだけが大切だった。今なら隠さないで言える」


「僕もです、母さん。今だから言える事です」



子ども達は小さい頃から抱いていた想いを、長い時間を経て伝える事が出来た。



手に入らない恋い焦がれていた女性。


今、新たに愛する人を見つけた彼らにはもう、秘めておく必要もない。



孤独だった自分を何の見返りも求めずに愛してくれたアキ。

アキが全てだった世界。



アキに唯一愛されているラヴを僻んでいた気持ちは、家族を与えてくれて守ってくれていた父親への感謝の気持ちへと変わっていた。





「誰と結婚しても他の誰かを愛しても、俺の1番はアキだよ。それは永遠に変わらないからね」

「僕もです。母さんが1番大切です。これからもずっと」



「あ…りがとう…ありがとう」




子ども達は涙を流すアキを見つめながら優しく微笑んでいた。