それはまだラヴが新人だった頃。



「ラヴ、今日私と飲みに行かない?」



この日のドラマの撮影後に共演者のあの女優に誘われた。




「私はまだ未成年ですので」

「あら、ホテルで飲めばわからないわよ」



女優はラヴの体に絡みついてきた。




男として女性を無理矢理突き放したり、乱暴は出来ない。


だからラヴはいつも『言葉』で突き放す。




「…主演の男性と飲みに行かれた方があなたの価値が上がりますよ」

「何よ、それ。私はあなたがいいのよ」

「私はただの脇役です。何の価値もありませんよ」



ラヴはいつも価値を決め、女優達が求めている女の価値を指摘するようにしていた。




「あなたは世界一カッコいいわ。顔は整ってるし、声も素敵。性格も紳士的で、背も高くスタイルもいい。きっとすぐにスターになる。私はあなたが欲しいのよ」



女性とは強情な物ですね。


見てくれがよくても私の中は黒一色。


私といても綺麗な世界は見れませんよ。





ラヴはそんな事を冷静に考えていた。



「私は1人が好きなんですよ。あまり関わらないで下さい」



遠回しで言ってもわかってくれない女性には、少しキツい言葉を吐く。




「…じゃあ共演者みんなで飲みましょう。だからラヴも来て?すぐ近くのホテルだから」

「…わかりました」




ラヴは他にも人がいるならと思い、ホテルに行く事にした。