真実を知ったラヴは、思い返したくない過去の自分から解放された。



それからはポーカーフェイスだった彼はよく笑うようになった。


アキはそれが嬉しかった。





「ラヴ、紅茶持ってきたよ」



アキは自室でDearestの続編を執筆中のラヴの元を訪れた。



「ありがとうございます」

「どう?順調?」

「はい。心の重みがなくなりましたので面白い程ペンが進みますよ」



アキはラヴにカップを渡すと、ラヴの背中に寄りかかった。




「どうしました?甘えたくなる時間ですか?」

「ううん。…ラヴが解放されてよかったなって思って」



そう。


ラヴが闇から解放された事を誰よりも喜んでいるのは他の誰でもない、アキだった。



出会った時から気にかけていたラヴの寂しげな表情、そして孤独に怯えていたラヴ。



それからラヴがやっと解放された事が、幸せでたまらなかった。