「あたしはラヴに会えて嬉しい。今こうしていられる事が嬉しい。…だから…愛されてたんだって、愛されて生まれてきたんだって幸せに思って」


「ありがとうございます、アキ。私は幸せです。…あなたがいてくれるから」




アキはこの時ラヴが生まれて初めて心の底から笑った気がした。



きっとラヴが闇から解放されたからなのだろうとアキは思った。




「私は40年も掛けてやっと真実に辿り着く事が出来ました。随分と時間が掛かってしまいましたね。でも真実を知るのがあなたとでよかった」


「私はいつまでもラヴといるよ。だから大丈夫よ。あなたは1人じゃない」



2人は日が暮れるまで浜辺に佇んでいた。



暫くして日が暮れると空一面に星が輝き始めた。

黒い海には月が反射している。




「ラヴはこの海によく来てたの?」


「いいえ、捨てられた時を入れないのなら初めてです」


「そっか。そうだよね、来たくないよね。でも初めてがあたしとでよかった」


「はい、私も隣にいるのがアキでよかったです」