「あなたはラヴよ。LUVでラヴ。愛されて生まれてきた子」



女は赤子にLOVEではなく、あえてLUVという名前をつけた。


母親の最後の願いを感じた女。




きっとこの子の母親は、名前としてLOVEと書いたのではなく、愛してるわという意味で書いたのだろうと思ったから。




ラヴがホワイトガーデンに来てから少しした頃。

妊婦だった女は女の子を産んだ。



その娘がラヴの運命の女性になるとはまだ誰も知らない。





「桜井先生。私の名前は何ですか?」



大きくなったラヴがある日問い掛けてきた。

女は優しく答えた。




「あなたはラヴ=エンドロール。エルユーブイでラヴ」



エンドロールとは映画やドラマの最後に流れるテロップの事。



女は彼の人生の終わりが愛で満ち溢れているようにと願い、そう付けたのだった。