「…けほっ…何ですか、今度は…」



ラヴは力が抜け、その場にしゃがみ込んだ。



どうやら媚薬らしい。

体が熱く、言うことを聞かない。




「知り合いに頼んで強力な媚薬を作って貰ったの。私はあなたに出会ってから、ずっとあなたが欲しくて仕方なかった」



出会ってから…か。

私もアキに出会ってからアキしか見えません。



これは愛情なんでしょうか…



私にはわかりません。
わかるはずがない…。





ラヴは朦朧とする意識の中、そう思った。




「ほら、早く私と1つになりましょうMr.ラヴ。あなたも男でしょ、我慢しなくていいのよ」



アキ…
アキ……

あなたが愛しい…




「私は…愛する女性がいます。……だから…っ…あなたは抱けません」



ラヴはまだ少しだけ効く理性を抑え、立ち上がった。




「無駄よ。あなたはもう理性を保つことは出来ないわ」

「いいえ、耐えます。……私は…彼女しか愛しくない。だから…帰ります…」



息をする事すら苦しい。



男とは欲の塊だ。

でも私はこんな所で愛のない行為はしたくない。




「なんで?なんでなのよ!?なんで媚薬に耐えられるのよ!!!!……そんなにその女の事を愛してるとでも言うの!?」

「はい。そうですね、愛していますよ」




ラヴはそう言って微笑むとホテルを後にした。