アシュリーはアキの後ろ姿を見つめる。



「さて帰ろうか。ラヴ達が心配するから」



アキがヘルメットを被るとアシュリーはアキを抱きしめた。




「アシュリー?」

「…俺はお前じゃなきゃ嫌だ。だから…結婚なんか出来ない」



アシュリーが抱きしめている腕に力を込めると、アキは穏やかに笑った。




「…あたしはもう40のおばさんだよ。アシュリー…あなたの止まっている時間を早く動かしてあげて?」


「嫌だ。お前じゃなきゃ嫌だ」


「ありがとう、アシュリー。こんなあたしをずっと…大切にしててくれて。今度は自分自身を大切にしてあげて。あたしはもう大丈夫だから」




もう甘えたり、引き止めたりしない。



今度は自分を犠牲にしてきた彼に幸せになってほしい。




アキはそう思いながらアシュリーに抱きしめられていた。