あの日以来、ラヴの姿を見なくなったアキ。


母に聞くとラヴは仕事で外国にいるとのこと。




「アキ〜!これ読んで」



アキが施設内を歩いていると、子ども達が絵本を持って駆け寄ってきた。




「…うん。読んであげるよ」



アキはラヴが読んでいたように絵本を読む。


すると次第に、アキの視界は滲んでいった。




「アキ?どうしたの!?どこか痛いの?」



いきなり泣き出すアキに戸惑う子ども達。




「…っ!!ラヴ…ごめんなさい…」



子ども達はアキに擦りより、アキの頭をいいこ、いいこと撫でた。



誰かが母を呼んで来ると、嗚咽するアキを心配した母はアキを休憩させた。




「…はぁ」



施設の庭のベンチに座ったアキは溜め息をつく。




「…あたしの方がラヴよりよっぽど感情がないよね。…あんな酷い事を普通に言えちゃうんだもん。最低だよ」



アキは空を見上げながら呟いた。





「アキ、どうしたんだ?」



ベンチに座るアキの元へ1人の子どもが駆け寄ってきた。




「…アシュリー」



駆け寄ってきた子どもは、アシュリー。


翡翠のような緑の瞳とロングのブロンドヘアーが特徴のアシュリーは、まだ11歳だが日本語もペラペラ話せる。




「なーにいい大人がメソメソしてんだよ」

「…アシュリーは恋してる?」

「あ?何だよ、突然」