温かい空気に包まれたリビングで

ラヴが感動したというDVDを見始めたエンドロール家。



リビングにはDVDの音声とキズナが時折発声する声だけが響いた。




DVDが終わると5人は涙は流さず、柔らかい表情で微笑んでいた。




DVDの家族愛よりも

自分達の愛情の方がずっと確かで

ずっと強いと思ったから…






あの頃のラヴは愛が欲しくて仕方なかった。


だから家族愛のこの物語を見て涙を流していた。



でも今のラヴは愛を知っている。

だから涙は流さなかった。





子ども達も同じ。


孤独だった自分達には、今はもうかけがえのない家族がいる。



世界の誰よりも幸せだと思えていた。