あなたを産むときのアキを見て


私達は捨て子だけれど


いらなかった存在ではなかったんだと思えたんですよ。







子ども達が家を出てから数ヶ月。


アキのお腹は膨らみ、臨月を迎えていた。




ラヴが留守の時にいつ陣痛が起きてもいいよう、アシュリーは最近実家にいるようになっていた。



「本当に心配性だよね、アシュリーは」



ソファの上でパイポをくわえるアシュリーに呟くアキ。




「お前がドジだから心配なんだよ!階段から落ちないかとか、腹出して寝てないかとか…」


「いつまで経っても優しいのね」



アキはアシュリーの隣に座る。



アシュリーは長かった髪をバッサリと切り、凄く大人っぽくなった。


今はモデルとして仕事を頑張っている。




「アキ、ただいま帰りましたよ」



2人が話していると、ラヴが仕事から帰ってきた。



ラヴはエンドロール家のノンフィクション小説を執筆中である。




「おかえり、ラヴ」

「はい、ただいまです」



ラヴは優しくアキのお腹を撫でる。




「わかるかな?今撫でてくれてるのはパパだよ。お仕事から帰ってきたのよ」


「ただいまです。いい子にしていましたか?あまりアキに痛い思いさせてはダメですよ」



お腹に向かって話し掛けるラヴが愛しくて仕方がないアキ。




「…もうすぐ会えますね。待っていますよ」