翌日、朝食を終えて海へとやって来たエンドロール家。



「はい、並んで並んで♪タイマー押すよ」



アキは前と同じようにカメラを岩場にセットした。


初めて家族で撮った写真と同じ場所で、最後になる家族写真を撮る事になるとは思わないまま。




シャッターの音が響いて写真が撮れると、アキはカメラを取りに行く。




5人は暫く無言のまま、浜辺を歩いていた。




沈黙の中、静かな波音と風の音が海には響いていた。



その沈黙を破ったのはアシュリーだった。



「俺はさ、…いや、俺達はだな。俺達は両親を知らねぇし名前すらわかんなくて、施設のガキ共の中で1番孤独だったんだ。

愛された記憶もなかったし、自分が存在している意味さえわからなかった」



アシュリーはラヴとアキを見つめながら、強く優しく言葉を紡いでいく。




「でもラヴとアキが引き取ってくれて、血すら繋がっていない俺らをどんな時も大切にしてくれて、愛してくれて…生まれてよかったって思ったんだよ。

家族に大切なのは血筋なんかじゃない、絆の強さなんだって事もわかった」



「アシュリー…」



「アキを好きになる事で人を愛する事や守る意味を知ったし、ラヴを尊敬する事で未来に目標が出来た。本当に幸せだったよ」




レオンとサミュエルはアシュリーの隣に立つ。