花火が終わり、5人は海に背を向けて立った。



「本当に言い伝えられてるジンクスなのかよ。屋台のオヤジのでっち上げじゃねぇの?」

「もう!うるさいよ、アシュリー!!」

「ジンクスや迷信は、自分が信じていれば誠になりますよ」



ラヴにそう言われ、アシュリーは渋々後ろを向く。




「海に落ちるまでに願い事唱えるんだよ♪じゃあいくよ」




「せーのっ!!!!」


5人は声を揃え、一斉にスーパーボールを投げた。




透明なスーパーボールは、月明かりを反射させ輝きながら弧を描いて海へと降下していく。


まるで流れ星みたいだった。





5人の願いは同じ。


『この家族の絆が永遠に繋がっていますように』





暫くすると何かが海に落ちた音が一面に響いた。



スーパーボールはすぐに黒い海に沈んで消えた。







5人は海に背を向けたまま、涙を流していた。