もう日が昇る夜明け前。

レオンはラブホテルから出て、帰り道を歩いていた。



レオンはアキを殴った事を思い出し、罪悪感に駆られていた。


「…アキ…大丈夫かな」



どこから湧き出るのかわからない苛立ちをアシュリーに向け、その結果がアキを殴る事になってしまった。



反抗期、そして思春期を迎えたレオンは

子どもでも大人でもない今の自分がよくわからなかった。




「レオン!」


とぼとぼと明るくなっていく住宅街を歩いていたレオンは、名前を呼ばれて振り向く。




「…アキっ」

「よかったぁ…やっと見つけた」


頬に大きな湿布を貼ったアキがレオンに駆け寄ってきた。


レオンはいたたまれなくなり、顔を背ける。