2人はカフェに入ったり、ウィンドウショッピングをしたりロンドンの街を満喫していた。



「…さて、日が暮れてきましたし帰りますか」

「うん!今日はありがとうね。楽しかったよ」



2人はホワイトガーデンに向かって歩き出す。



ふとアキは、すれ違うカップルを羨ましそうな眼差しで眺めていた。


そんなアキに気付いたラヴ。




「…アキ」



ラヴがアキに手を差し伸べるとアキは首を傾げる。




「手を繋いで帰りましょう。アキが迷子になってしまったら大変です」

「迷子になんかならないよ!!……でも…嬉しい」



アキはニッコリ笑うと差し出されているラヴの手を握る。

ラヴの手は大きくて温かかった。




女性の気持ちを理解してあげられないと言っていたラヴだが、アキの気持ちは十分に理解していた。



2人はホワイトガーデンに着くまで、ずっと手を繋いでいた。




手を繋いだ瞬間、アキはラヴを形作るもの全てが欲しくなってたまらなかった。



欲望は次から次に溢れてくるものだから…


ラヴの優しすぎる仕草さえアキには苦しかった。