ラヴの漆黒の髪に
大きな手に、体に触れたい。


あの胸に抱かれたい。
寂しそうな顔を笑顔にしたい。



…困るよ。


ラヴといると思わずラヴに触れてしまいそうで困る…



その腕の中で壊れてしまう程、強く抱きしめて欲しい。


溺れてしまうくらい愛して欲しい。



手に入らないのなら
いっそのこと……


ラヴになら、歪んだ愛し方をされてもいいよ。





自分がどれだけラヴに溺れているか確信するアキ。


アキは内から溢れ出る欲望を感じていた。




「ラヴの彼女になったら幸せになれるね。ラヴは優しいから」



アキがラヴを見上げると、ラヴはアキの言葉に首を傾げる。




「私は女性の気持ちを理解してあげられません。だからきっと幸せにしてあげられないと思います」


「ラヴはただそばにいてくれるだけで幸せな気持ちにさせてくれるんだよ」



アキがニッコリ笑うとラヴは顔を赤くしてそっぽを向く。




「…ありがとうございます。アキ」




ラヴもまたアキといると幸せな気持ちになっていた。




しかし、愛情を知らない彼にはそれが何なのか、わからないでいたのだった。