「女性はブランド物が好きですね」


「ねっ。なんでだろう。あたしもブランド物欲しくてバイトして買ったなぁ…。買ってくれる人なんていなかったからね。お姉ちゃんに使わなくなったバッグとか貰ってたけど」



アキはフッと笑うとキラキラした目でブランド店の中を見つめていた。




「何か欲しい物があるのなら買ってあげますよ」



ラヴがそう言うとアキは目を丸くする。



「えっ、いいよ!悪いし。あたしにブランドは似合わないからね」

「女性が遠慮する事はありません」

「大丈夫。ありがとう、ラヴ」



ラヴとアキは再び歩き出す。


少し距離を保ったまま歩く2人。

その距離がもどかしかった。



ラヴの大きな手を見つめると、繋ぎたい衝動に駆られる。


しかし恋人でもないのに繋ぐのは嫌がられるかもしれないと思い、アキは伸ばしていた手を引っ込めた。