俺を捨てた親の事を考えると、苛立ちと憎しみが一気に込み上げて来て仕方なかった。



その行き場のない感情が気持ち悪くて、俺は理由もなく喧嘩をするようになった。



少しでもこの苛立ちが収まるように。




「アシュリーは何ですぐ乱暴するの?何かあるなら先生に話しなさい」

「何もねぇよ!ほっとけよ!!」



当時まだ8歳のクセに、俺は妙にひねくれていたと思う。



人とまともに会話なんかしたくなかったし、顔なんか見たくなかった。



だからレオンによくオヤジくさいと言われるのかもしれない。





でも、甘えさせてくれる人も心配してくれる人もいない俺はアナーキーな態度でいるしかなかった。


泣くわけにもいかない。

悲しんでるわけにもいかない。





いつからこんな可愛げのない子どもになったんだろう。


いっその事、大声で泣いたら楽になるのか?





自分の存在価値がわからない俺の前に、ある女が現れた。