彼らにも幸せが必ず訪れます。

いや、必ず幸せになってほしい。




私は彼らを暫く見つめた後、桜井先生の所へ向かった。



「桜井先生」

「ラヴ、もうお義母さんよ?」



私に気付いた先生は優しく微笑んだ。




「アキは寂しがり屋で泣き虫で、甘ったれな子だけど…芯は強いのよ。だから見捨てないでやってね」


「はい、私はそんなアキを愛していますから」


「本当はね、施設の子と自分の娘が結婚するってちょっと複雑だった。でもラヴなら任せられる。あなたは息子のような存在ですから」



桜井先生は涙目になりながら呟く。




「あなたはこの世界の誰よりも純粋で愛情深い子よ…」

「私がですか?」

「そうよ、ラヴ」



私はわからなかった。


私が純粋?
愛情深い?



そんな事はない。


私は人一倍悲観的でマイナス思考の情けない男だ。




ただアキを愛するだけの普通の男。


それがいいと言ってくれているんですか?





「ホワイトガーデンの名前の由来は、白い何もない庭に子ども達が色んな花を咲かせて色とりどりな色でここを染めて欲しいと願ってつけられたらしいの。

ラヴ、あなたは言葉では言い表せない程の素敵な色でこの施設を染めてくれたわ。ありがとう」