流れてくる映像は私には酷過ぎた。



血の繋がらない家族が必死になりながらも、当たり前の日々の中で深い愛情と確かな絆を見つけるという話だった。



愛情なんて知らない私には、嫉妬に似た感情だけが体の中に渦巻いていた。



もう観たくないのに、私の目はテレビから離れなかった。




愛されたい。
愛したい。

誰かを心の底から…



この時、私の中に芽生えた感情だった。





「ラヴ…」

「はい?なんですか」



DVDが終わると、私を見た先生がハンカチを差し出した。


先生の瞳の中には目から液体を流す私が映っていた。



温かいその液体は、私の頬にとめどなく流れ落ちていく。