桜井先生は私につきっきりでいつも色々な世界の言葉を教えてくれた。


そのおかげで私は、5歳で全世界語を話せるようになった。


でも、それが何になっただろう。




施設の子ども達は、年齢相応の知識しか身につけていないから話の馬が合わない。



それに私は、人との接し方がわからなかった。



桜井先生としか話した事がない私は、何を話したらいいのか、何をして遊んだらいいのかがわからなかった。




いつしか“1人が好きな子ども”という目で見られるようになった。



いつ私がそんな事言ったんだ?
1人が好きなワケがない。



でも、誰かにそんな事を言ってもきっと理解してもらえない。




いつからだっただろうか。


諦めるクセがついたのは。




誰かに甘えたい気持ちや泣きつきたい気持ちを抑えるようになったのは…。