「ごめんなさいね。アキの気持ちも知らないのに怒鳴ったりして。…ハルから聞いたわ。アキが毎日泣いてるって」



お母さんはあたしの頭を撫でてくれた。



それが嬉しくて、あたしはお母さんに抱き付いて泣いた。




「寂しかったんだよぉ…あたし寂しいのっ!!」

「アキ…」



あたしとお母さんの事をあの男の子が見ていた気がしたけど、どうでもよかった。


だってやっぱり、あたしは幸せだもん。




暫くお母さんに甘えたあたしは、あの男の子の所へ戻ろうとした。


でももう男の子はいなかった。




「…施設にはあんな優しい子もいるんだね」



風が吹き抜ける園庭で、その時のあたしに将来の夢が出来た。



お母さんのような先生になりたいと。