「アキが先生ですか。そう言えばそうでしたね」


「この前ね、子ども達の心の内を知ったよ。あんなに寂しい想いをしてたんだってわかった。…あなたもそうなんでしょ?本当は…」



アキのその言葉に、少し微笑んでいたラヴはまたしても冷めた表情へと戻ってしまった。




「しつこいのは嫌いです。確かに子どもの頃はそうだったかもしれませんね。…孤独が恐かった。でも今は慣れたんですよ。人間は1人でも生きていけます」


「孤独を愛する人間も孤独に慣れる人間もこの世にはいないわ。1人で生きていける人間もいない」


「だからあなたに何がわかるんですか!?孤児でもないあなたに私の何がわかる!!!!何も知らないのに知ったような事を言わないで下さい!!!!」



ラヴは珍しく大きな声を出した。


アキはラヴの怒鳴り声に怯む事なく言葉を続ける。




「…何もわからない。あたしにはわからないよ。でもこれだけはわかる。あなたは1人じゃない」



ラヴが儚げな瞳でアキを見るとアキは涙を流していた。


ラヴの心を知って、泣けないラヴの代わりに泣いているようだった。



「ラヴにもわかるでしょ?あたしの気持ち。わからない?ラヴがわかろうとしないだけよ。
…辛かったね。寂しかったね。いっぱい傷付いてきたんだよね。…涙も流せないくらい辛かったのに、よくここまで頑張ったね」



アキは孤独過ぎた小さい頃のラヴの姿を考えると、胸が痛んだ。