そんなサミュエルの頭をポンと叩くアシュリー。



「お前にはお前のいい所がある。無理に合わせる必要なんかねぇよ。今のお前のままと付き合ってくれるダチが本当のダチだ。
必要なのはダチの数じゃない。深さだろ」


「アシュリー…」


「お前の良さはわかってるから」



サミュエルはこの時初めて、アシュリーがお兄ちゃんに見えたのだった。





「さてと帰るか。アキが飯を丸焦げにする前に。…その猫はどうすんだ?」



アシュリーが子猫を見ると子猫は元気な声で鳴き、サミュエルから離れて走っていった。




「にゃんこから沢山元気をもらっちゃった」

「…そうだな、サミュエルが元気になったから去ってったのかもな」




2人は子猫の消えていった方を見つめていた。