ラヴは寂しそうな表情で俯く。

アキはラヴのこの表情が嫌いだった。



彼が何に怯え、何を恐がっているのかがわからなかったから。




「ラヴは優しいよ。あたしはラヴを冷たい人だなんて思った事はない」


「私は孤独を愛する子どもとして扱われてきました。……本当にその通りなのですよ」



ラヴは立ち上がり本を棚にしまうと、再びソファに腰を掛ける。



ラヴの表情は哀しげなままだった。


灰色の瞳も段々と青みがかっていき、寂しさを漂わせているようだった。




「…じゃあどうしてそんな悲しそうな顔をするの?ラヴはたまに寂しそうな表情をする。何かを恐がっているような…。あなたは何に怯えてるの?」


「…あなたに何がわかるんですか」



ラヴは冷めた眼差しでアキを見た。



図星を突かれ、動揺する自分を必死で隠すかのように冷たく鋭くアキを睨んだ。