「アキ、アキ…怒らないで下さい。アキの怒った顔は嫌です」



ラヴはアキの服の裾を掴みながら呟く。




「アキ…。早く帰って来て下さい。私は31日744時間しか待ちませんからね」


「ラヴ、細かいよ。ちゃんと早く帰ってくるから、子ども達と一緒に待っててね?」



アキはラヴの頭をポンと叩くと、ラヴと共にベッドに入った。




「おやすみ、ラヴ」

「はい、おやすみなさい」



ラヴは夜が明けない事を祈りながら眠りについた。




しかし明けない夜などない。

次第に空は明るさを増してきた。




「ん…。朝か。起きないと」



AM5:00。

まだ薄暗い朝方。



空港に向かうアキは、目覚ましの音と共に目を覚ました。



隣りを見ると、ラヴが両手を重ねて祈るような格好で眠っていた。



「なんでこんな格好で寝てるの?……あぁ、でもやっぱり綺麗な顔立ちしてるなぁ。アシュリーも綺麗だけどラヴには適わないね」



アキは暫くラヴの寝顔に見とれていた。




ラヴと子ども達分の朝食を作り、支度を終えたアキは家を出る前にもう一度、アキの部屋で眠るラヴの所へ訪れた。



「…ラヴ、いってきます。あたしも寂しいけど頑張ってくるからね」



アキはラヴにキスすると、後ろ髪ひかれる想いで部屋を出た。




「…I miss you…。My sweet heart」



ラヴは寝言なのか起きてて言ったのか、出て行ったアキに向かって英語で呟いた。