俳優や映画監督にとって、力ある者の中から選ばれた者が名誉ある賞を与えられる日。



会場の舞台袖で柄にもなく緊張しているアキと子ども達。



それもそのはず。


大勢のカメラマンやファン、そして世界中の名映画監督や大スターが溢れかえる中、一般庶民の4人は明らかに場違いだったからだ。




その中にキチッとした礼服に身を包み、大スターと違和感なく混ざるラヴは、やはり俳優なんだなと感心する4人。




「ラヴなんかあの中にいて共演者と笑ってるぜ?どんな肝してんだよ」

「ある意味尊敬するよね」



アシュリーとレオンはラヴを見つめていた。




暫くすると会場は静まり返り、司会者が話し始める。



まず、今年の映画賞、そして助演女優、主演女優、助演男優と賞が発表されていった。



そしてついに、主演男優賞が発表される時間となった。


始めにノミネートされた俳優がステージに登る。



ラヴ同様、何人かの有名俳優達も壇上へと登った。





「お願い…ラヴの名前を呼んで」



アキと子ども達は両手を重ね、目を瞑った。




司会者の声が会場に響く。



「では、発表します。今年の主演男優賞は……」