「あれ、猫は?」



アキがサミュエルに問うとサミュエルは首を振る。




「誰かに拾われたのかもしれません」

「なんだよ、びしょ濡れ損じゃん!」

「ふざけんな、サミュエル!!」



怒りを露わにするレオンとアシュリー。


その瞬間、強い風が吹き5人の傘は骨組みだけになった。




「ぷっ……あはははは!!」



それを見たアキが笑うと、ラヴと子ども達も笑い出す。




「台風リポーターみたいな傘になったな」

「しかもみんな一緒にって!ギャグ漫画みてぇ!!マジうける」

「もう傘の意味がありませんね」



びしょびしょになった5人は暫く公園で笑っていた。



端から見たら不審な家族だが、5人は笑い続けた。




雷が遠退くまで公園の遊具で雨宿りをする事にした5人は、先程の出来事を思い出して笑っていた。



「大人5人でここはキツいな」

「仕方ないでしょ。雨宿り出来る場所、ここしかないんだから」

「てか寒いよ〜。絶対風邪引く」

「バカは風邪を引かないから、レオンは引かねぇよ」



アシュリーとレオンは蹴り合いを始めた。




「やめなさい!ただでさえ狭いんだから暴れないの!!」



アキは暴れる2人を引き離した。





びしょ濡れになった体は冷えていき、次第に体が震えてきた5人。