雷よりもうるさい子ども達。


騒いでいたサミュエルは、ふと何かに気がついた。




「公園にいたにゃんこが心配だ」

「えっ!?猫!?」

「いったーい!サミュエルのバカぁ!!」



サミュエルはレオンを踏み潰しながら、玄関へと向かった。




「サミュエル!今外に出たら危ないわよ!?」

「そうですよ、傘なんか差したら雷が落ちてしまいます」



ラヴとアキは手探りで玄関まで向かうと、外に行こうとするサミュエルを止める。




「行かせて下さい!公園ににゃんこの赤ちゃんが段ボールに入ってたんです」



サミュエルは2人を振り払うと、傘を差して外に駆け出した。




「どうしよう!!サミュエル行っちゃったよ」

「私が後を追いますから、アキは家にいて下さい」

「やだ!あたしも行く!!2人に何かあったら嫌だもん」



アキがそう言うと、2人は傘を差してサミュエルの後を追った。


そんな2人の後を渋々追うレオンとアシュリー。





雷が鳴りしきる土砂降りの中、傘は意味をなさずびしょ濡れになる4人は公園へとやってきた。



サミュエルは公園の一角で屈んでいる。


その視線の先には、空っぽの段ボールだけがあった。