アキは暫くラヴの部屋だった一室で泣くと、施設を出て初めてラヴと出会った路地へとやって来た。



アキは路地の電灯に寄り掛かると、軽くなった左手の薬指を見つめる。




「…ラヴ…あたしは…」



いつも守ってくれたラヴ。

あんなケガをしても愛し続けてくれるラヴ。


あたしのくだらない世界をかけがえのない物に変えてくれたラヴ。




孤独で愛の意味さえ知らなかった彼は、不器用ながらも愛を伝えててくれた。


純粋過ぎる彼が愛しくて仕方なかった。




「…あたしはまたラヴを孤独にしてしまう。…何をしてるの、あたしは」



自分は独りだと、孤独だと理解して生きてきたラヴや子ども達は、どんな気持ちで施設にいたのだろうか。





寂しかった?
悲しかった?
恐かった?



私はまたラヴにその想いをさせてしまう。






暗くなるのにも気付かず、アキはその場に立ちすくんでいた。