「アシュリー〜おんぶして〜」

「はぁ!?俺はラヴじゃねぇぞ!!」

「おんぶしてくんなきゃ帰んない!」



アキは顔を膨らませながら、その場にしゃがみ込んだ。


アシュリーは子どものようなアキを愛しく想った。





「仕方ねぇな、ほら」



アシュリーがアキの前に屈んで背中を突き出すと、アキはニンマリ笑ってアシュリーの背中におぶさった。




「アシュリー…大好き」



アキの言葉に反応したアシュリーは足を止めた。




「…お前が俺に言う好きはラヴのとは違う好きだろ。…そういうのマジキツい。だから言うな」


「同じよ。ラヴもアシュリーも…レオンもサミュエルも。誰も切り離せない。みんな同じ好きだよ」



アキはそう呟くと、大きくて温かいアシュリーの背中がとても心地良くて眠ってしまった。



街を吹き抜ける風が頬に当たり、アシュリーはそれをとても心地良く感じた。




「…俺はお前だけ“特別”な好きなんだよ。他の奴らとは違う」



アシュリーは泣きたくなる気持ちを抑え、家路を急いだ。