「これで満足した!?レオンはあたしの事そんな目で見てたの?…レオンに喜んで欲しくて、頑張って欲しくてお弁当作ったり…今だってあたしの本当の気持ち言っただけなのに…酷いのはどっちよ!!」



アキは泣きながら叫ぶ。




「…こんなレオンなんて大嫌い」



アキが医務室を出ようとすると、後ろからレオンに抱きしめられた。




「離して!レオンなんか嫌い!!大嫌い!」

「…アキ…好きだよ。嫌いだなんて言わないで。……ごめんね」



後ろから抱きしめるレオンが震えている事に気付いたアキは、抵抗をやめた。




「俺…情けなくて不甲斐ない自分に腹立って…苛立ちをアキにぶつけた。本当にごめん」


「レオン?失敗は誰だってするんだよ。でもそこから人は成長するの。だからレオンはもっともっと強くなれるよ。…だから大丈夫。あたしに当たってもいいから、サッカーを諦めないで」



アキがそう呟くと、レオンはアキの首筋に顔を埋めて泣き出した。




「…アキ…最後にするから…」



レオンはそう言うとアキを強く抱きしめた。



アキはただ

涙を流すレオンを受け入れた。






レオンが泣き止むと同時に試合が終わった。


まるでレオンの恋の終わりを告げるかのように。