試合会場に着くと、そこにはカメラマンや応援団、誰かを目当てで来たらしい女の子で溢れかえっていた。



「うわぁ―…本格的だなぁ」



アキは広いグラウンドを見て、呆気にとられていた。




暫くすると、ユニフォームを着たレオンやチームメイトがグラウンドに出てくる。


主審の笛の音と共に試合は始まった。




「レオン、頑張れ―!」



アキ達は叫びながら試合を見守っていた。



たまにアキの耳には「レオン君頑張って」や「レオン、カッコいい」などの黄色い声援が聞こえてきた。




しかし試合が盛り上がる頃。

事件が起きた。




レオンは不覚にもオウンゴールを決めてしまったのだ。



「えっ!?何?何でレオンがゴールしたのに敵の得点になっちゃうの!?」



サッカーのルールがいまいちわからないアキは、ラヴに問う。




「あれはオウンゴールといって、相手チームのゴールに入れてしまった為、相手の得点になるんですよ」


「ああ、サッカー選手として一番の屈辱だ」



アシュリーの言葉にアキは衝撃を受けた。



すかさずレオンを見ると、いつも楽しそうにサッカーをするレオンに笑顔はなかった。





「レオン…」



アキは心配そうにレオンを見つめる。