「困った人ですね、仕事ですよ?」

「わかってるよ!」



アキは赤くなってそっぽを向く。




「キスもハグもアキにする時しか愛を込めてません。大丈夫ですよ。…テレビやスクリーンに映る俳優のラヴと、ここにいる1人の男のラヴは別人ですから」



ラヴはそう呟くと再びアキを引き寄せて抱き締める。



時が止まったようかのように、とても穏やかな時間が流れていた。




「たっだいま〜♪レオン君が帰ってきたからエッチ中断してね〜!ラヴとアキ」



穏やかな時間は下品なレオンの発言で終わった。




「ちょっと、レオン!玄関で変な事叫ばないでよ!!ご近所に聞かれたら恥ずかしいでしょ!!」


「いいじゃん、いいじゃん♪2人が仲良しなのはご近所でも有名なんだから」




呑気なレオンに溜め息をつくアキをよそに、レオンは手を洗いに洗面所に向かった。




「アシュリーとサミュエルは午後も講義だし、今のうちに買い物行ってこようかな」



アキはそう呟くと買い物に出掛けた。



外に出ると近所の奥様方に囲まれるアキ。





「こんにちは、エンドロールさん。聞こえたわよ、息子さんの声」


「すみません、いつも騒がしくて」


「いいのよ。…ところで、あの男前の旦那様とどうしたらあんなずっと仲むつまじくいられるの?何か秘策でもあるのかしら?」




奥様方は真剣な眼差しでアキを見つめる。




「喧嘩とか普通にしますよ?ただ主人がおおらかなだけで」



アキがそう言うと奥様方はラヴを思い浮かべ、うっとりとした。



アキはアシュリーとサミュエルが通り過ぎるまで、奥様方に捕まっていた。