「アキ、ギャルちん時代があったんだね」

「ショップ店員やってた時ね」

「お前ケバいの似合わねぇ。化粧すんな」

「今はしてないでしょ!本当にアシュリーってお父さんみたい」



言い争う2人をよそに、パラパラとアルバムを眺める3人。




「私の知らないアキがいっぱいです。可愛いですが少し妬けます」


「何に妬いてんだよ」


「私の知らないアキを知ってる人達にですよ。写真に一緒に写ってる方々は狡いです。…羨ましいです」



軽くヘコむラヴ。





アルバムには、まだ4人と出会う前のアキがたくさん納められていた。




「そうだ!あたし達家族専用のアルバム作りたいから、アルバム買いにいこ」

「行ってらっしゃーい…」

「あんたも行くのよ、アシュリー」

「勝手に行け!」



嫌がるアシュリーも引き連れ、5人はアルバムを買いに出掛けた。




「写真は過去を未来に残す物に過ぎない。だから、いつか離ればなれになる日が来ても、ちゃんと記憶に残しておいてね?何気ない今を」



アキは5人に呟いた。




子ども達は、あと何年この何気ない幸せな毎日を5人で過ごせるのか考えていた。



いつか自立する自分。

いつかあの家を出る自分。

いつか愛を注いでくれたラヴとアキから離れる自分。

いつか愛するアキに想いを告げる自分。




幸せに慣れてしまっていた子ども達には、想像もつかなかった。





ラヴは何も言わず、歩いていた。