アキが鼻歌を唄いながら脱衣場へ向かおうと廊下に出ると、煙草を買いに行っていたアシュリーが帰ってきた。



「帰ったぞー!アキ、出掛けたら腹減った!!何か飯」

「アシュリー…オヤジ臭いよ。それにご飯食べたばっかりでしょ」

「減るもんは減るだ。何かくれ」



アキとアシュリーが暗い廊下を歩いていると、ふと暗闇に灰色の何かが揺れた。



アキとアシュリーの顔が青ざめる。




「ぎゃあああ!!出たぁぁぁ!!」



アキとアシュリーは叫ぶ。




その声を聞きつけたレオンとサミュエルが2階から駆け降りてきた。



「何!?何が出たの!?」



床にへたり込んでいるアキとアシュリーが震えながら指を指す方をレオンとサミュエルが見ると


ギシギシと床が鳴り、揺れる灰色の物体が近付いてきた。




レオンとサミュエルも青ざめる。




「ぃぎゃああああああ!!!!」



4人はその場に固まる。





「…あの、何が出たんですか?」



暗闇から現れたのはラヴ。

灰色の物体はラヴの瞳だった。




「…え?ラヴ!?」



4人は息を荒しながらラヴを見上げる。




「ゴキブリでも出たんですか?しかしもう夜遅いですし、騒ぐとご近所迷惑になりますよ」


「死ね!ラヴ!!」


「なんでそんな所にいるのよ!!」


「マジ呪われると思ったじゃん!!おバカ」


「…誰のせいで叫んだと思ってるんだ」



ラヴが暫く4人から口を聞いてもらえなかったのは言うまでもない。



幽霊に間違われ傷付いたラヴは、暗い廊下にランプを置く事にした。