「どっちみち、子ども達がいる時間はなんにもしないって約束でしょ!?子ども達も年頃なんだからイチャついてる声とか聞こえたら気まずいと思うよ?」


「もう彼らも立派な大人ですから大丈夫です」


「そういう問題じゃない!」



アキは呆れながらラヴに叫ぶと、ラヴは瞳を潤ませながらアキを見つめていた。




「…アキ…寂しいです。施設にいた頃の孤独よりアキといられない孤独の方が寂しくて辛いです…」



ラヴは顔を下に向ける。


アキは自分が酷い事をしてしまったと後悔した。




「ごめんね、ラヴ。泣かないで」



アキがラヴを抱きしめると、そのままベッドに押し倒された。




「引っ掛かりましたね、アキ。名付けて『うるうる大作戦』です」



ラヴはニヤっと笑うと、アキの首筋に擦り付く。




「騙すなんて酷い!本当に反省してたのに!!」

「俳優業がこんな所で役に立つとは思わなかったです」

「ラヴ嫌い!!どいて!!」



“嫌い”の言葉にヘコむラヴを見てアキは笑った。




「ラヴ変わったよね。出会った頃はポーカーフェイスだったのに、今は言葉の1つ1つに反応するもの」

「アキに出会って人間らしくなれたんですよ」



ラヴとアキは抱きしめ合いながら、話す。




「アキの泣き虫とヤキモチ妬きは昔から変わりませんが」

「あたしだってちゃんと大人になったもん」



膨れっ面になるアキを見てフッと微笑むと、ラヴは愛しそうに膨れているアキの頬を撫でる。




「変わらなくていいんです。今のままがいい。…アキは変わらないで下さい」



ラヴはそう言うと、ドサッとアキの上に倒れて眠ってしまった。





「ラヴ…眠たいのに待っててくれたんだね。…明日はいつも通り、甘えさせてあげようかな」



アキはラヴの頭を撫でながら、微笑んでいた。




アキはラヴにとっても大切な、ただ1人の愛する女性なのだ。