いつもの風景に戻ったエンドロール家。


まるであの出来事が嘘だったかのように、今日も騒がしい家の中。




「えっ!?サミュエルのバンド、デビューするの?」


「はい、正式に決まりました。でも大学には通い続けます」



高校の頃からバンド活動を始めたサミュエルは、頭の良さと効率の良さを作詞・作曲で発揮していた。



そんなサミュエルのバンドは音楽会社と正式契約をしたとの事。




「そっかぁ。サミュエル頑張ってたもんね。あたしも嬉しいよ」

「ありがとうございます。…デビュー曲は母さんに捧ぐ唄を描きます」

「うん!楽しみにしてるよ」



アキとサミュエルが話していると、レオンが興奮しながら帰ってきた。




「聞いて!!聞いて―!!」

「聞くから落ち着いて、レオン」



アキはソッとレオンをソファに座らせる。




「あのね、あのね!俺、大学卒業したらJリーガーになるの!!今日サークルにスカウトしに来た!!」

「本当に!?やったじゃない」

「うん!もう死ぬほど嬉しい!!…いや、死んじゃダメだっ」



レオンはノリツッコミをしながら、そわそわしていた。




「サミュエルもレオンも将来の夢が叶ってよかったね。あたしも嬉しいよ」



アキは2人を見ながら微笑んだ。




「そういや、アシュリーの将来の夢って何だろう?」

「あー、ラヴみたいな俳優になりたいって言ってた気がする」

「えっ。それラヴ聞いたら泣いて喜ぶよ!!」



アキは何事にもやる気のないアシュリーの意外な夢に、感動していた。