自分の事で精一杯だったアキは、環境や仕事に慣れはじめ

視野を子ども達に向けるようになった。



施設にいる子ども達は、職員の中で一番年齢が若いアキに親近感が湧くのか、彼女を慕っている。




「アキ!!外でサッカーしようよ」



最近よくアキにまとわりついてくる子どもがいた。



レオン=ヴェベルというオレンジ色の髪に紫色の瞳の10歳の男の子で、いつも笑顔で明るい子ども。



施設の子どもにしては、自分を悲観する素振りのないレオン。

アキも明るい彼が大好きだった。




「レオンはいつも元気ね!あたしまで元気になるよ」

「アキが好きだからだよ♪」



レオンはニッコリ笑うと、アキの手を引き園庭へと向かった。