ふと気付くと、アキを庇うようにラヴが抱きついてた。



「アキ…痛い所は…ありませんか?」



ラヴは血まみれになっていた。




「ラヴ…?やだっ…ラヴ!!」



アキを庇い、脇腹を刺されたラヴの顔は次第に血の気が引いていった。




「やだよっ!!ラヴっ」



アキは涙を流しながら、ラヴを抱き締める。




「アキ…もし私が死んだら…私がいなくなった世界でも…笑っていて下さい。…あなたの笑顔は私の宝物なんですよ。…だからほら…笑って…?」


「死んじゃ嫌!ラヴ」


「Aki…I love you…」




アキ、何だか眠いです…



今度私が目を覚ます時はいつものように焦げたパンの匂いと


アキの『おはよう』の声で起きるんでしょうか。



そうだったらいい。
それがいい。



泣かないで下さい、アキ。

さよならは言ってませんよ。



だから…

笑って。






ラヴはアキに初めて想いを告げた時と同じ言葉を呟くとニッコリ笑い、目を閉じた。



「…ラヴ?ラヴ!!!!」



ラヴは真っ白な顔で深く目を閉じていた。



「いやぁぁぁぁぁぁ!!ラヴ!!!!」

「アキ、落ち着け。もう警察と救急車、レオン達も来るから」



ラヴを抱き締めながら泣き叫ぶアキ。



アシュリーはそんなアキを気にしながら、茫然と立ちすくむハンナを見張っていた。




「Luv…I love you too…」



アキはそう呟くと、ラヴをギュッと抱き締めた。