「ラヴ…愛してるわ。だから死んで」



アキがラヴの上に覆い被さり目を閉じると、ハンナのナイフが何かに刺さる音がした。



アキが目を開けると、アキを庇ったアシュリーの肩にナイフが刺さり、アシュリーの血が吹き飛ぶ。




「アシュリー!!」

「痛ってーな…。テメェアキに傷を付けたら殺すぞ」



アシュリーは刺された肩を押さえながら、ハンナを睨む。




「なんでそんな貧相な女を庇うのよ!?ラヴもあなたも!!」


ハンナはその場にしゃがみ込んだ。




「ラヴ…大丈夫?」

「はい。…大丈夫です」



弱々しく話すラヴは傷を庇いながら立ち上がり、ハンナに歩み寄る。




「何よ!!また刺されたいの!?」

「違います。あなたに言って置きたい事があります」



ラヴはハンナの前に立って話し始めた。





「私はアキを愛しています。アキが大切です。だからアキを傷付けるのも、けなすのも許しません。傷付けたいなら私にして下さい」



ラヴがそう言うとハンナは立ち上がる。




「3人共…殺してやる…」

「無駄だな。レオンとサミュエルが警察と共にここへやってくる。さっき俺が連絡しておいた。…あんたはもう終わりだ」



アシュリーがそう言うと、逆上したハンナはナイフを握ってアキに駆け寄った。




「アキ!!!!」



アキの目の前には血が映った。

だけど、痛くなかった。