世界を変えてしまう程の『愛』なんて、この世界には存在するのだろうか?
そんな事をぼんやり考えながら空港までの道を歩いていたアキ。
アキは保育科の短大2年生。
夏休みを利用して両親が働いているイギリスの施設に遊びに来ていた。
『ホワイトガーデン』という名の乳児・孤児院は、アキの母方の親族が代々経営していた。
日本で姉と弟と住んでいるアキはイギリスに来るには来るが十分に英語を話せない。
「わぁ…。外国人ってやっぱカッコいいなぁ」
そんな事を呟きながら歩いていたアキが、ふと時間を見ようと腕を捲った瞬間、不意に肩を掴まれた。
アキはビクッと肩を震わせてから振り向くと、後ろに外国人の男が2人立っていた。
男達は英語でペラペラとアキに向かって何かを話しているが、アキにはさっぱりわからない。
アキが何も反応出来ずにいると1人の男がアキの腕を掴み、人気のない路地に連れて行こうとする。
その行為にアキは置かれている状況を把握した。
「やっ…!!離してっ!!」
連れてかれまいと足に力を入れるアキだが適うはずもなく、路地へ引き吊り込まれていく。
「なんなの!?離せバカ」
アキがどんなに日本語で暴言を吐こうと、男達には通じない。
もう駄目だ…
と思い、アキが目を瞑った瞬間…
「…Stop it!!」
英語で怒鳴った声が聞こえ、殴り合いをするような音が響いた後
誰かが走り去って行く足音がしたのでゆっくり目を開けると
アキの前に背の高い黒髪の男が1人、立っていた。
「Lady,are you ok?」
男はアキに何やら話し掛けながら歩み寄ってくるが、アキはさっきの恐怖からか後退りするしか出来なかった。
「…嫌っ!!来ないでっ…」
アキがそう呟くと、男は頭を掻いて話し始めた。
「あなた、日本人なんですね。もう大丈夫ですよ、さっきの奴らはもういません」
優しい声で日本語を話す男を見たアキの瞳からは、涙が溢れ出た。
そんな事をぼんやり考えながら空港までの道を歩いていたアキ。
アキは保育科の短大2年生。
夏休みを利用して両親が働いているイギリスの施設に遊びに来ていた。
『ホワイトガーデン』という名の乳児・孤児院は、アキの母方の親族が代々経営していた。
日本で姉と弟と住んでいるアキはイギリスに来るには来るが十分に英語を話せない。
「わぁ…。外国人ってやっぱカッコいいなぁ」
そんな事を呟きながら歩いていたアキが、ふと時間を見ようと腕を捲った瞬間、不意に肩を掴まれた。
アキはビクッと肩を震わせてから振り向くと、後ろに外国人の男が2人立っていた。
男達は英語でペラペラとアキに向かって何かを話しているが、アキにはさっぱりわからない。
アキが何も反応出来ずにいると1人の男がアキの腕を掴み、人気のない路地に連れて行こうとする。
その行為にアキは置かれている状況を把握した。
「やっ…!!離してっ!!」
連れてかれまいと足に力を入れるアキだが適うはずもなく、路地へ引き吊り込まれていく。
「なんなの!?離せバカ」
アキがどんなに日本語で暴言を吐こうと、男達には通じない。
もう駄目だ…
と思い、アキが目を瞑った瞬間…
「…Stop it!!」
英語で怒鳴った声が聞こえ、殴り合いをするような音が響いた後
誰かが走り去って行く足音がしたのでゆっくり目を開けると
アキの前に背の高い黒髪の男が1人、立っていた。
「Lady,are you ok?」
男はアキに何やら話し掛けながら歩み寄ってくるが、アキはさっきの恐怖からか後退りするしか出来なかった。
「…嫌っ!!来ないでっ…」
アキがそう呟くと、男は頭を掻いて話し始めた。
「あなた、日本人なんですね。もう大丈夫ですよ、さっきの奴らはもういません」
優しい声で日本語を話す男を見たアキの瞳からは、涙が溢れ出た。